合同会社の持分とその相続について
合同会社の持分とは?
合同会社の持分とは、社員としての地位のことをいいます。
この持分は、合同会社に対して出資をすることによって取得できます。合同会社を設立する際に金銭や物を出資していると思いますが、出資をしなければ、合同会社の社員としての地位を得ることはできません。
合同会社設立後に社員として加わろうとする場合も同様です。合同会社に対して新たに出資を行うか、または、既存社員から持分の一部を譲渡してもらわなければ、社員になれません。
持分は、原則他の社員全員の承諾がなければ譲渡できず、不特定の第三者が社員となることを防止しています。
また、社員は出資者としての側面も持ち合わせていますので、合同会社を退社する際には、会社に対して出資の払戻しを請求できます。
つまり、持分とは社員としての地位と社員が持っている財産的権利の2つの意味を持つことになります。
合同会社の持分とその相続
合同会社には「法定退社事由」が定められており、社員が死亡すると自動的に退社することになります。
<合同会社の法定退社事由>
- 定款で定めた事由の発生
- 総社員の同意
- 死亡
- 合併
- 破産手続開始の決定
- 解散
- 後見開始の審判を受けたこと
- 除名
社員の死亡と同時に「持分」が失われ、社員としての地位は相続することはできません。
相続人が相続できるものは、死亡した社員が持っている持分の払戻しを請求する権利です。
合同会社に対して持分の払戻を請求することで、出資の払い戻しを受けることができます。
このように社員としての地位は当然には相続対象とはなりませんが、定款に定めることによって、社員が死亡した場合は、相続人がその持分を承継できるようにすることもできます。
(相続及び合併による持分の承継)
第○条 当会社社員が死亡した場合または合併により消滅した場合には、当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する。
このような「死亡した社員の持分を相続人が引き継ぐ」という定めを定款におけば、死亡した社員の持分を相続人が相続できるようになり、相続人が死亡した社員に変わって合同会社に加入することになります。
社員が一人しかいない合同会社の場合の注意点
合同会社では、「解散事由」が定められています。
<合同会社の解散事由>
- 定款で定めていた存続期間の満了
- 定款で定めていた解散事由の発生
- 総社員の同意
- 社員が欠けたこと
- 合併
- 破産手続開始の決定
- 解散を命ずる裁判
このうち「社員が欠けたこと」は、社員が一人もいなくなったことを意味します。
合同会社の社員は死亡したことによって、自動的に退社します。
もし、社員が一人しかいない合同会社で社員が死亡すると、社員が誰もいなくなり、この解散事由に該当することになります。
つまり、社員が誰もいなくなってしまった合同会社は自動的に解散してしまうのです。たとえ夫婦や家族で共同して経営していたとしても、残された人が社員でなければ、商売を続けることはできません。
定款に「相続による持分承継の定め」がない合同会社は、社員の死亡により解散し、清算手続きに入ります。
なんとか合同会社を継続させる方法はないか、どうにかすれば存続できるのではないか、と思われるかもしれませんが、復活させる方法はありません。
社員が欠けたことにより解散した場合は、必ず解散します。
ですので、社員が一人の合同会社であれば、定款に「相続による持分承継の定め」定めをおくことを検討したほうがよいでしょう。
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