その設立ちょっと待って!合同会社を作るのは簡単?じゃあ止めるときは?
合同会社の設立は安くて、簡単です。
株式会社のように、公証役場での定款認証も必要ありませんし、認証手数料も掛かりません。登録免許税も株式会社より9万円も安い。
ご自身で全ての手続をされても、トータル10万円です。
手間暇がかかるので、ご自身でされるのはおススメできませんが、「電子定款」というもので定款を作れば、印紙代4万円が非課税となるので、ここから更に安くなって、わずか6万円で合同会社が設立できてしまいます。
でも、ちょっとまってください。
ただ安いからという理由で、安易に合同会社を設立される方が増えてきています。
と同時に、設立して1年も経たないうちに廃業される方もまた増えてきています。
意外に思われるかもしれませんが、実際に当事務所でも、設立より「解散」のご依頼の方が多いのです。
- 個人事業から節税目的で法人成り(合同会社を作って節税)をする
- 許認可を取るのに法人格が必要だから合同会社を設立する
- 初めての起業だが、自己資金もたっぷりあり、ビジネスプランも明確
こういった場合は、問題はありません。
問題なのは、これといったビジネスプランもなく、脱サラしてとりあえず会社を作ってみたい。という理由だけで合同会社の設立をお考えになる方です。
思い当たる方は、まずは一旦、手続きをストップし、以下に続く記事をお読みになってください。
1人で始める分にはいいのですが。。。
設立は簡単。では閉めるときは?
合同会社を止めるときは、どのような手続きが必要になるか、把握されていますか?
設立よりもはるかに難しくて面倒な解散・清算登記という手続きが待ってます。
まあそれでも、1人で会社を作った方は、粛々と手続きを進めていけます。借金が無い限り、自分で責任を取って会社を畳むことができますからね。
問題は、複数人・共同経営で合同会社を作ってしまった場合です。
共同経営の場合は「僕、会社止めます!解散っ!以上!」とはいかないのです。
原則として、総社員の同意が必要になります。
1人でも解散に反対する社員が出てくると、総社員の同意の方法による解散はできなくなってしまいます
弊社にもよくあるご相談なのですが、このようなケースで共同経営者全員の同意が取れない場合は、解散できません。
共同経営で合同会社を設立する場合は、このことを十分に理解しておく必要があります。
債務超過の場合も簡単には解散できません。
更に、総社員の同意で解散できるケースというのは、借入金や未払金がない状態、もしくは借入金があっても完済できる資金力がある場合に限られます。
債務超過状態の場合は、裁判所での手続きが必要になります(いわゆる破産です)。
では、同意を得れたとして、解散ってどんな手続が必要なの?
前述のとおり、解散は総社員の同意で行うのが一般的です。
「総社員の同意」を経て、解散します。
解散後、管轄法務局への解散及び清算人選任登記を行います。さらに、解散後に清算事務を行い、清算が終われば、清算登記を行います。
2回の登記が必要になる上に、この清算事務期間中は債権者保護公告といって、官報に解散公告を掲載しなければならず、また、解散時点で判明している債権者(銀行など)には、個別に催告をしなければなりません。
一筋縄ではいきませんね。。。
法務局以外に税務署への解散申告も必要です!
また、法務局や官報販売所へのの手続きだけではとどまらず、これらの手続きと同時並行的に、税務署へ解散届出・解散申告・清算申告、更には都道府県税事務所・市税事務所などへの届出も必要になります。
設立時は法務局だけでOKだった合同会社もいざ会社を起こして解散するとなれば、これだけの多くの役所手続きが必要になるのです。
で、解散に要する費用はいくらかかるの?
- 解散及び清算人登記:39,000円
- 清算登記:2,000円
- 官報公告掲載料:約35,000円
その他、解散登記や税務申告などを専門家に依頼した場合はその報酬額が必要になります。
<まとめ>
いかがでしたでしょうか?
これから合同会社を設立される予定だった方には耳の痛い話しだったかもしれません。ただ、これが現実でもあるのです。現実は決して甘くありません。
各専門家への報酬なども含めると、一概には言えませんが、解散は設立の4倍程度の費用が必要になると考えておきましょう。
共同出資・共同経営で合同会社を作った場合は、自分1人の意思では解散できない、とも覚えておいてください。
実際に合同会社を解散する方が急増しています。
作るのは簡単。止めるのは大変。お金もかかります。
安易な設立は、おススメできません。
以上、参考にしていただければ幸いです。
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