合同会社設立時の資金調達、公的融資ノウハウ
合同会社は融資に不利なの? - いえ、法人形態は関係ありません。
創業時の融資の審査においては、「法人形態」は重視されません。
株式会社、合同会社などの法人の形態よりも、むしろ代表者となるその人「個人」に重きが置かれます。
融資申請を行う法人代表者個人の経歴に加えて、自己資金の額、事業計画の内容が重要視されます。
日本政策金融公庫の融資の中でも代表的な「新規開業資金(新企業育成貸付)」を例に、合同会社設立時における資金調達のポイントをまとめてみました。
大きなポイントは次の3つ。
ポイント1.業界経験 - 業界経験は長ければ長いほど良い!
日本政策金融公庫のサイトには新規開業資金の利用者として、次の要件を挙げています。
1 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(1)現在お勤めの企業に継続して6年以上お勤めの方
(2)現在お勤めの企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
2 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
3 技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
4 雇用の創出を伴う事業を始める方
5 1~4のいずれかを満たして事業を始めた方で事業開始後おおむね5年以内の方
中でも重要なのが1の業界経験年数です。
お金を貸す側としては、業界経験が豊富な人にお金を貸したいのは当たり前です。合同会社の代表者にあたる方の業界経験が6年以上必要となりますので、融資申請前に要チェックです。
そのほか、2~5については、具体的な要件に合致するかは公庫の担当者によりけりなところもありますので、事前に確認をするとよいでしょう。
ポイント2.自己資金 - 総事業費の3分の1!「コツコツ」貯める!
公庫の担当者は、創業者がこれまでにどれだけコツコツとお金を貯めてきたかをチェックします。
事業に対する熱意を、「いかに資金を貯めてこれたか」で確認するわけですね。
どうやって「貯蓄額」と「コツコツ貯めてきた熱意」を確認するかといえば、「通帳」です。
現金で何百万円貯めていたとしても、自己資金として見てくれませんので、十分に注意してください。
公庫の担当者は、「見せ金」を嫌います。嫌うというより一発アウトです。
せっかく汗水垂らし苦労して貯めてきたお金も、現金で貯めていたという理由だけでNG。
一時的に誰かからお金を借りてきて、通帳にどかんと入金した場合との区別が付きませんからね。。担当者に信じてもらおうにもその手段がありません。
通常、貯金する場合は、毎月少しずつ貯めていきますよね。担当者はその履歴がみたいのです。最低でも半年から1年は貯金の履歴が分かるような通帳作りをしておく必要があります。
次に、自己資金要件ですが、目安として、総事業費の3分の1以上となっています。
以下に、日本政策金融公庫記載の自己資金の要件として掲載しているものを抜粋します。
<自己資金の要件>
事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の3分の1以上の自己資金(注)を確認できる方。※事業に使用される予定のない資金は、本要件における自己資金には含みません。
たとえば、
- 900万円の創業資金がかかる場合、最低でも300万円
- 1500万円の創業資金がかかる場合、最低でも500万円
が必要になります。
自己資金をコツコツと貯めてきましたと。公庫に証明できれば、融資成功の確率はぐっと高まります。
※追記
公庫の創業融資については、自己資金要件が10分の1まで緩和されましたが、10分の1程度の自己資金では、融資は難しいとされています。自己資金は多ければ多いほど、融資は下りやすくなるということです。
ポイント3.事業計画書 - 大風呂敷を広げる必要はありません。
お金を貸す側からすれば、緻密な事業計画を立てているか否か。ここが一番気になるところです。
公庫は、借主が大儲けすることなど望んでいません。貸したお金に利息を付して、毎月滞り無く返済してくれることだけを望んでいます。
「こんなに儲かるんですよ!」などと息巻く必要もありません。大風呂敷を広げる必要もありません。
「毎月きちんと返済できるのか」を最重要視してるのですから、事業計画書に盛り込む数値目標は、「渋すぎる」くらいで良いのです。
例えば、飲食店の事業計画書の場合、月の売上が300万円、人件費など全てを差し引いた上での純利益が20万円という計画を立てたとします。
一日も休まず、30日間、一日平均10万円を売り上げる。一日の回転率は3。
創業月から1日も休むことなく働く事ができますか?天候はずっと晴れですか?毎日、回転率3という平均して数字を出せますか?
もちろん数字に関してはケースバイケースですし、規模にもよりますが、この例の場合の融資担当者からすれば「創業月から売上300万円も上がるわけがないよ。3回転も毎日できないよ」と思ってしまうわけです。
実際に成果を出す自信があっても、このケースでは、一日平均の売上を8万円程度にしておくのです。その上で、きちんと利益を出して、返済原資も確保ができている事業計画を立てるのです。
あと、キャッシュフロー計算書なども併せて作っておくと、公庫の担当者は安心してくれる可能性が高いです。
「売上や経費だけじゃなく、現金の流れまで考えているのだな」と好印象を与えることができます。
融資の成功率が上がるのは間違いないので、キャッシュフロー計算書と事業計画書はセットで考えていきましょう。
事業計画書やキャッシュフロー計算書は自分で作れるものなのでしょうか?
簡単ではありません。
業界の経験・ノウハウ・技能には自信があっても、いざ、事業計画など具体的な数字となるとてんでダメだと言う人は多いのです。仕方ありませんよね。経営者として成長していくのはこれからなのですから。
前述の1(事業経験)と2(自己資金)はご自身でも何とかなる部分です(と言うより、何とかしないといけません^^;)。
ただ、事業計画書については、行政書士や税理士、中小企業診断士などの専門家の力を借りるのも一つの方法です。
専門家に大まかな事業計画を伝え、打ち合わせをしながら、融資可能性を高める事業計画書を作成していくのです。
当然、専門家報酬は発生しますが、融資成功の可能性を高め、かつ、融資額がアップする可能性もありますから、選択肢としては持っておいても良いでしょう。
以上が公庫の創業融資申請時のポイントになります。
その他、弊社の別サイトにはなりますが、起業家・経営者向けの資金調達ガイドページを設けておりますので、ぜひ、参考になさってください。→賢く借りる為に!起業家・中小企業経営者の為の資金調達徹底ガイド(会社設立ドットネット)
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