徹底比較!合同会社(LLC)と株式会社
まずはなんといっても、合同会社は株式と比べて「設立費用が格段に安い」という点が挙げられます。合同会社は公証役場での定款認証が不要で、更に、設立登記に必要な登録免許税も株式会社より9万円も安く済みます。
また、ランニングコストの面でも、税金関係は株式会社と同様(法人税、法人住民税均等割など)になりますが、役員任期が無いので、任期ごとに必要となる「役員変更登記の登録免許税」も掛かりません。
設立手続きに必要となる書類の数と作成の難易度も、定款認証が要らない分、低くなります。
下記にその他の項目の比較を掲載していますので、ご覧くださいませ。
種類 | 株式会社 | 合同会社(LLC) |
---|---|---|
出資者の責任 ※1 | 有限責任 | 有限責任 |
法人格 | 有 | 有 |
課税方法 | 法人課税 | 法人課税 |
組織設計 | 会社法の制約有り | 会社法の制約有り |
利益配分・ 議決権 ※2 | 原則、出資比率による | 定款で柔軟に規定 |
組織内部規定 ※3 | 会社法の規定により設定 | 定款で柔軟に規定 |
出資者数 | 1人以上 | 1人以上 |
役員数 | 1人以上 | 1人以上 |
役員任期の有無 ※4 | 有 | 無 |
資本金 | 1円以上 | 1円以上 |
決算公告義務 ※5 | 有 | 無 |
定款認証の要否 ※6 | 必要 | 不要 |
設立登記の要否 | 必要 | 必要 |
変更登記の要否 | 必要 | 必要 |
設立手続の難易度 ※7 | 複雑 | 簡素 |
設立実費(登録免許税等)※8 | 約24万~ | 約10万~ |
設立期間 ※9 | 約1ヶ月程度 | 数日から10日程度 |
※1 出資者の責任について
有限責任とは、出資者などが限定された範囲の財産(出資した財産)でのみ責任を負うことをいいます。
出資者本人が設立法人に対して連帯保証債務等を負っている場合、当該法人が債務を払えなくなれば、出資者個人の資産をもって会社債務を支払うことがあることにご注意下さい。
※2 利益配分・ 議決権について
株式会社では、儲けが出ると株主へ配当という形で利益が分配されますが、その割合は出資額に応じて行われ、自由に分配することはできません。
また、持ち株数に比例した発言権を持つことになります。つまり、持ち株数が多ければ多いほど配当も大きくなり、発言権も大きくなります。
これに対して合同会社では、利益の分配割合は原則として出資割合によりますが、定款において異なる割合を定めることもできます。
議決権も出資割合によらず、原則1人1個議決権を持つことになりますが、異なる定めを置くこともできます。
合同会社では、利益配分・ 議決権について定款で柔軟に規定することができます。
※3 組織内部規定について
株式会社では、会社法の規定により株主総会や取締役など必ず置かなければならない機関がありますが、合同会社ではこのような必ず置かなければならない機関はありません。
実情に合わせて柔軟な内部機関を設計をすることができます。
株式会社のように株主総会や取締役会等を開催しなくても良いので、合同会社設立後の運営を簡易に行うことができます。
※4 役員任期の有無について
株式会社では、役員(取締役や監査役等)の任期に上限(最長10年)があります。
例え同一人物が続投する場合でも、その任期ごとに株主総会で役員改選の決議を行い、法務局へ変更の登記申請を行うことになります。
上記の手続きにかかる手間もありますが、費用(登録免許税)も発生します(1万円または3万円)。
もし任期が切れたまま手続きを行わなかった場合には、過料に課される可能性があり、12年間何もしなかった場合はみなし解散の対象となります。
合同会社の役員(業務執行社員)に任期はありませんので、このような手続きは不要です。
※5 決算公告義務について
株式会社では、会社法の規定に基づき毎事業年度終了後に決算書などを公表する「決算公告義務」があります。
一般的な決算公告方法は官報へ掲載する方法ですが、費用が7万円~15万円程度かかるので、毎年ランニングコストが発生します。
合同会社には決算公告の義務はありませんので、手間も費用もかかりません。ただし、合同会社が合併や解散などを行う場合には公告義務があります。
※6 定款認証の要否について
株式会社設立時の定款は、公証役場で公証人から認証を受けなければその効力が発生しません。公証役場での定款認証手数料は5万円かかりますし、事前に公証人と定款原案についての協議を行うため時間もかかります。
合同会社設立時の定款は、公証人による定款認証は不要のため手数料はかからず、手間も費用も省けます。
※7 設立手続の難易度について
株式会社の設立手続き自体はそれほど難しいものではないと言われていますが、公証役場での公証人との事前協議や法務局へ事前確認など慣れない手続きが多く、思いかけず時間が取られるものです。
また、書類の作成にも時間がかかりますので、予めどのような手続きが必要か調べておく必要があります。
合同会社は株式会社と比べると、機関構成などがとてもシンプルなため、作成しなければならない書類の数も少なくすみます。
また、公証役場での認証手続きがないため、株式会社と比べて簡素になっています。
※8 設立実費(登録免許税等)について
株式会社の設立費用は、定款認証手数料5万円+定款印紙代4万円+登録免許税15万円=合計24万円の実費がかかります。
合同会社では定款印紙代4万円+登録免許税6万円=合計10万円の実費がかかります。
合同会社では定款認証手数料が不要であることと登録免許税が株式会社よりも安いので、実費費用を安く抑えることができます。
なお、定款印紙代は「電子定款」を利用することで非課税となります。電子定款にすることにより、株式会社では実費が20万円、合同会社では実費が6万円のみですみます。
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※9 設立期間について
株式会社では、公証役場で事前に定款内容について公証人との協議を行い、定款認証手続き後に法務局への登記申請を行う流れになります。
何度もやり取りがあることを想定すると余裕をもって約1ヶ月前後みておいたほうが良いでしょう。
合同会社では、公証役場での定款認証が必要ないため、数日から10日程度で設立が完了します。
上記設立期間はあくまでも目安であり、事業内容、許認可の有無等、各々の状況により異なります。
なお、弊社(会社設立専門事務所)に法人設立手続等のご依頼をいただきますと、上記期間よりお早く設立いただけます(最短3日での設立も可能です)。
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