合同会社(LLC)とは
新会社法では、新たに合同会社(LLC)という会社形態が作られました。
現在、有限会社を新たに設立することはできなくなっていますので、合同会社がそれに代わるものとして期待されています。
英文では、Limited Liability Company (有限責任会社)で頭文字をとってLLC(エル・エル・シー)と呼ばれています。
合同会社は、元は欧米由来の会社形態であり、欧米では株式会社と同等かつ一般的に利用されています。
日本でも今では年間2万件弱の合同会社が新規に設立されています。株式会社が約8万6千件ですから、すごい数字ですよね。
【関連ページ:合同会社の年間設立数(全国)の推移・統計】
有限会社に変わり、簡単に設立できる合同会社は今後、益々認知されていくことでしょう。
最近では、合同会社の認知度もあがってきていますが、合同会社はどんな会社でしょうか?
合同会社は株式会社と同様に営利企業、法人であり、株式会社と異なる扱いを受けることは基本的にありません。
株式会社と同様に、一人で設立することができ、資本金も1円以上でOKです。
合同会社は、設立時に必要となる登録免許税等も株式会社より安く済みますので、低コストで起業し、法律による縛りが少なく(役員任期がない、機関構成も簡素、定款自治の範囲が広い等)、自由な会社運営を行いたい起業家には適しているといえます。
設立費用は、株式会社の場合は25~30万円(専門家に依頼した場合:法定実費含む)掛かるのに対し、合同会社の場合は10~12万円(専門家に依頼した場合:法定実費含む)で設立できます。
約半分の値段です。
法人化を考えている理由が、
- 取引先に株式会社でなければ取引できないと言われている
- 株式会社という知名度が必要
- 将来、会社を大きく(株式公開等)することを予定している
- 誰かに会社をまかせ、自分は出資をするだけである etc
であれば、株式会社。
- 許認可を取るのに、とりあえず「法人格」のみが必要
- 法人化の目的が「節税」のみ
- 自分一人、夫婦だけ、家族だけなど、同族企業であり、会社を大きくすることは考えていない
- とにかくスピーディーに、安く会社を作りたい etc
であれば、合同会社が適していると言えるでしょう。
小さくビジネスを始めたい方にとっては、とてもお勧めの会社形態が合同会社なのです。
合同会社に向いている業種は?
合同会社は一人または二人など、少人数で設立することがほとんどです。
では、どのような業種が合同会社に適しているのでしょうか?
実際、弊社にご依頼いただいたお客様の中で一番多い業種は、ダントツで「介護事業」です。
第1位 介護事業
介護事業を始めるには、役所から介護事業の指定を受けて「指定介護事業者」になる必要がありますが、「法人であること」が要件に掲げられています。
法人であればいいため、株式会社よりも設立費用が安い合同会社を選択されます。
また、介護事業の場合は事業所の名称(屋号)を名乗りますので、会社名が表に出ることはあまりありません。このような点から合同会社を選ばれる傾向にあります。
(参考:介護事業には合同会社が最適?)
第2位 ネットビジネス関係
エンジニアなどフリーランスの方が法人化を検討した際に合同会社を選ばれることが多くあります。
合同会社のデメリットに「知名度の低さ」がありますが、ネットビジネスでは無関係です。
WEBデザイン、ホームページ制作、ソフトウェア開発、情報処理など職種は様々ですが、設立費用やコスト面から株式会社ではなく合同会社を選択されます。
また、ネットショップ、アフィリエイトやFXなどで収益が出たため、節税目的のためだけに合同会社を設立することもよくあります。
第3位 建設業・工事業
一人親方など個人事業主として建設業を営んでいる方が法人成りをする場合、合同会社を選ばれることが多くあります。
法人格が必要である場合はもちろんですが、最近では元請業者から会社にして欲しいと言われて法人成りを検討されることもあるようです。
会社形態を問われない場合は、合同会社で十分です。
特に建設業の許可を取得したい場合、個人事業でも許可を取得することはできますが、個人で取った許可は法人には引き継がれません。
ですので、建設業許可の取得を契機に合同会社を立ち上げるようです。
その他
その他に多い業種はやはり飲食店業や不動産業です。
駐車場、マンション、アパートなどを経営していて、家賃収入を得ているのであれば対外的な取引はほとんどなく、借り主からすればオーナーが合同会社であろうとなんだろうと影響はありません。
飲食店業も同じくお店の名前(屋号)がありますので、合同会社かどうかはあまり関係がありません。
- 介護事業
- ネットビジネス関係(エンジニア、ネットショップ、アフィリエイト、FX)
- 建設業・工事業
- 不動産業
- 飲食店業
- 物品の製造・販売業
- 広告代理店業
- コンサルタント業
これらのような個人向けにサービスを展開している業種や会社名を前面に出さないような業種が合同会社に向いていると言えます。
設立目的が節税目的であれば尚更、設立コストを抑えられるメリットなどから合同会社を選択されます。
合同会社(LLC)に関してよくあるご質問
▼ よくあるご質問一覧
- Q何人から合同会社を設立できますか?
- A合同会社という名称ですが、1人からでも設立できます。
- Q資本金はいくら必要ですか?
- A資本金の額は特に決まりはありませんので、いくらでも構いません。1円の資本金でも設立できますが、事業資金として不十分であるのでおすすめはしません。
- Q合同会社の社員って従業員のことですか?
- A社員とは、合同会社の出資者のことです。合同会社では出資者のことを社員と呼びます。社員が出資をして合同会社を設立し、社員自らが経営を行います。
原則、出資者=経営者となります。 - Q出資をすれば必ず経営しなければなりませんか?
- A原則は出資者全員で経営を行うことになりますが、定款によって社員の中から業務を執行する社員「業務執行社員」を選ぶことができます。
- Q合同会社の社長は代表取締役ですか?
- A合同会社では社長のことを「代表社員」といいます。名刺の肩書きもそのまま代表社員で問題ありません。
- Q合同会社の役員に任期はありますか?
- A合同会社の役員を「業務執行社員」といいますが、業務執行社員に任期はありません。何も定めなければ退社するまで役員であり続けます。
- Q合同会社でも従業員を雇えますか?
- Aもちろん合同会社でも従業員を雇うことができます。通常の会社が従業員を雇うことになんら変わりありません。
- Q株式会社と比べて税制上異なることはありますか?
- A株式会社も合同会社も税制上同じように扱われますので、異なることはありません。またどちらが税制上有利・不利といったこともありません。
- Q合同会社にしない方がいい業種はありますか?
- A業種ではありませんが、例えば今後資金を調達して会社を大きくしたい、外部から出資を受けたい、将来的に上場を目指すというような場合は合同会社は不向きです。
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